2024.05 .23

旭神センター病院谷口獣医師インタビュー♥

旭神センター病院谷口獣医師インタビュー♥

谷口 琴美 (たにぐち ことみ )

大学:酪農学園大学 獣医学部獣医学科 卒業
獣医歴:13年
趣味:スープカレー屋さん巡り、また学生の頃巡ったまちをもう一度歩いてみたりしています

1.獣医師になろうと思ったきっかけを教えてください!

幼い頃モルモットを飼っていました。亡くなる瞬間に立ち会った際、当時の自分は“死”が理解出来ず、何が起きているのかわからないままで終わってしました。

また、学生時代道端でねこが倒れているのを見かけたことがありました。その際、とても驚きながらもその状況で自分に何ができるのか判断が出来ず、横目でみながら過ぎ去ることしかできませんでした。

こうした幼少期、動物の命と対面したことが人生の分岐点となり、助けたいと思った時に助けられるようになろうと思い獣医師の道へ進みました。

 

2.先生の獣医療における得意分野(もしくはより専門性を高めたい分野)を教えてください。

特定の分野を、というよりはジェネラリストとしてどんないぬ、ねこにもストレスをかけない治療ができる医師でありたいと思っています。
まさに緑の森でいう、木ではなく森を見る的なイメージです。

一方でねこについては、より専門性を持って従事してきました。
ねことの出会いは、小学生の時ポリ袋に入れられ捨てられていたねこ(ミルクちゃん)を実家で保護したとことから始まりました。その後大学生で1人暮らしをしていた時も、車の下に隠れていたところを保護され里親募集をしていたリクと暮らし始めました。今も生きています!!

 

ねこへの想い入れは強く、以前働いていた病院でも“ねこ専門チーム”で様々なことを学んでいました。ねこの飼い主さんの中には「ねこは病院を嫌がる」、「診察はねこにストレスがかかってしまっているのではないか」と考える方もいます。そうした飼い主さんへも不安を少しでも軽減してもらえるように、JSFM(日本猫学会)が行っているCATvocate (猫の専任従事者)という認定制度などの学びを通し、できるだけストレスをかけない診療を心がけるようにしています。

具体的には、猫は軟体動物のように体が柔らかいので、保定にタオルやネットを使うなど工夫しながら、お互いに怪我をせず手早く検査や処置を終わらせられるように心がけています

 

※ジェネラリスト・・・一般的にジェネラリストとは,特定の分野ではなく複数の分野においてある一定以上の知識や技術を持って仕事をしていく人のことを指し,決まった専門分野に特化して仕事をする訳ではないと定義されています。ジェネラリスト診療とは,1 人の獣医師として出来うる限りの問診,身体観察各種検査を実行,さらに自分の責任で診断しその診断に対し自分で出来る限りの治療を行います。また、1 つの専門科だけの診療ではなく、患者の主訴という問題を解決できるように全科の知識をふまえて行う診療のことを指します。

3.緑の森どうぶつ病院はどのような病院であると感じていますか。

飼い主さんと動物の繋がりを大切にしている、あたたかい病院であると感じます。以前の病院はとても忙しく、どうぶつを診る時間が短くなったり、飼い主さんとのコミュニケーションの時間が短く感じたりすることが多くありました。そういった意味で、緑の森は、周りを見ながら動物と飼い主さんを気遣う病院であると感じます。

4.どのような獣医療理想として目指していますか。

飼い主さん、動物の目線に立った診療を大切にしています。病気をなくすことはできませんが、病気の治療をするにしても、どのような選択をすればご家族が幸せに過ごしていけるかを共に考えたいと思っています。

不安をなくすためのコミュニケーションや本院ならではのしつけなどに繋いでいくことで、共に考える医療を実現していきたいです。

健康は様々なことが相互に関係し合いながら築かれています。全体性の医療の考え方を大切に、予防医療や検診などの必要性についても伝えていきたいです。